柳本晶一全日本女子監督は、アテネでの悔しさを胸に北京オリンピックへ向けて新たなスタートを切った。「北京オリンピックでメダルを獲得すること」という唯一つの目標に向かって。
2005年に掲げたキーワードは「変化とスピード」。キャプテン・竹下佳江の変幻自在のトスワークから繰り広げられるスピーディかつ多彩な攻撃を武器に世界と戦い、確かな手ごたえを掴んだ。
続く2006年のキーワードは「アンダー2」。あと2点取れば勝てた試合があった。選手の正確で緻密なプレーがミスを減らし、勝利へと繋がる。ミスをしない正確なプレーを追及した結果、世界選手権では6位。大会3位のセルビア・モンテネグロをフルセットで破るなど、正確なレシーブから繰り広げられる「変化とスピード」の攻撃が機能した結果だった。
「究極の勝利」をテーマに掲げた2007年。アテネオリンピック後、全日本を離れていたエース栗原恵の復活や、フランス・RCカンヌでプレーし欧州チャンピオンズリーグでベストリベロ賞に輝いた佐野優子の全日本復帰など注目が集まった。アジア選手権ではアテネオリンピックの優勝チーム・中国をストレートで破り優勝。そのままの勢いで迎えたワールドカップだったが、あと一歩の勝利が掴めず結果は7位。非常に悔しい結果となった。

 「オリンピックはもう"出たい"んではないんですよ。メダルを獲りに行くんです。」と語った高橋みゆき。彼女はアテネオリンピック後、自らのレベルアップの場を世界に移し、2005年からイタリア・セリエAのビチェンツァでプレーした。この経験は彼女のプレーの巧みさに更なる磨きをかけた。強豪各国の監督が日本の要注意選手として「高橋」の名前を挙げるようになり、世界から恐れられる存在に成長した。「北京オリンピックでメダルを獲る」。チームの誰もが同じ信念を胸に抱いている。そしてそれは全てのファンの願いでもある。そして目前に迫った「2008北京オリンピック世界最終予選兼アジア大陸予選」。「究極の勝利」の向こう側にある栄光を掴むために、全てを賭けた戦いが今始まろうとしている。